+++ 毎日の暮らしの中で感じることを自由気ままに綴っています +++

 
Vol.1 ファミリー・デイケア
2004年10月

現在私は、ファミリー・デイケアという託児所で毎日数時間ずつお手伝いをさせて頂いています。ファミリー・デイケアとは、ライセンスを取得した一般家庭を開放して子供達を預かるシステムで、通常のデイケアと比べて子供達の数が少ないのが特徴です。

私の通っているファミリー・デイケアでは、0歳〜3歳児まで8名ほどの子供達を預かっています。中国出身のオーナーは、数年前までエンジニアとして働いていた元キャリアウーマン。昔から子供が好きで、ある時突然キャリア転向を決意したそうです。

この自宅はミリオンダラー間違い無しと思われるほど豪華な2階建て住宅ですが、1階はデイケア用として完全に開放されています。広い庭にはプレイジムや砂場が設けられ、子供達はいつも元気に駆け回っています。

預かっている子供達の殆んどが中国出身の家族。現地のデイケアに通ってみたもの、言葉の壁にぶつかってしまい辛い思いをしていた・・・という子供達がこちらへやって来るパターンが多いそうです。勿論私は中国語が話せないので、英語で子供達に話し掛けていますが、最初は全くと言っていいほど意思の疎通ができませんでした。ただでさえ子供の扱い方が分からなかった私は、毎日悩んでばかり・・・。でも数週間後には、例え言葉が通じなても子供達は私のことを理解し、私が伝えたいこと一つ一つを確実に吸収してくれるようになりました。

子供達に教えることより私が子供達から教わることの方が多い日々ですが、このデイケアでお手伝いさせて頂いていることをとても嬉しく思っています。  

 
Vol.2 おもちゃの奪い合い
2004年10月

今日はカレッジ内にあるチャイルドセンターで、Lab Studentとして子供達と1時間半ほど過ごしました。

私は、クラスのちょっぴりやんちゃな男の子とおもちゃの食べ物を使って、お料理ごっこをしていました。すると、その子がおもちゃの恐竜を取り出し、机にあった製氷機(こちらもおもちゃ)に叩き始めたのです。それを見ていた女の子が直ぐに駆け寄り、『そんなに叩いちゃダメでしょ』と製氷機を奪って逃げてしまったのです。男の子は『僕が使っていたんだから返して!』と女の子を追いかけ、女の子も意地になって返さないのです。

私は2人を止めてお互いの気持ちを聞こうとしたのですが、つたない英語のせいか、2人とも全く止まる気配無し。それを見兼ねた先生がやってきて、私を助けてくれました。

先生は2人の間に入って意見を聞き、女の子には、『彼がおもちゃを叩いたことはよくないけれども、あなたも突然彼のおもちゃを奪ってこうやって逃げている姿はよくないなぁ・・』と話していました。男の子には、『おもちゃを叩くのはよくないことよね?おもちゃに優しくするって約束できるなら、彼女に返して≠チて話してごらんなさい』と話し掛けていました。結局男のは、『May I use it? 』と女の子に伝え、女の子も大人しくおもちゃを返して事なき終えました。

子供は2人とも4歳。今日もまた1つ勉強になりました。先生は男の子に、『May I〜を使って人にお願いすることはいつでも大切よ。』と言っていました。今度子供達が何かの奪い合いをしていたら、同じ言葉を掛けてみよう・・・。  

 
Vol.3 子供の気持ち
2004年10月

授業の後はファミリーデイケアに直行し、2時間のお手伝い。現在私は、2〜3歳の4人の子供に、英語、アート、音楽、ダンスなどを教えています。

子供の中に、2歳半になる男の子がいます。周りの子供に比べてちょっぴり大人しめですが、いつもニコニコしていて優しい男の子。彼は本が好きではないらしく、絵本の時間になると独りで遊び始めてしまうのですが今日は違いました。私が絵本を読み始めると、目の前にきちんと座ってじ〜っと絵本を見つめているんです。普段なら、『おいで』って言っても来ないのに・・・。そして絵本が終わりに差し掛かった時、突然大声で泣き始めました。誰かが叩いたわけでも何かにぶつかった訳でも無いのに・・・。私もビックリ!

男の子は、気持ちが落ち着くまでオーナーと一緒に別の部屋へ移動してしまいましたが、どうやら今日の彼は気持ちが不安定のようでした。

実は、この子の母親はニューヨークの大学に通っており現在父親と暮らしているのです。最近まで母親が一時自宅に戻っていましたが、月曜日に再びニューヨークへ発ってしまったそうなのです。オーナーの話では、この子は普段感情を閉じ込めてしまうことが多いらしく、きっとお母さんのいない寂しさも閉じ込めてしまっていたのかもしれません。そして、絵本を読んでいる時に何かがワーッと込み上げてきてしまったのかも・・・。ちなみに、絵本の内容は、4歳の女の子が生まれたばかりの弟のお世話をする――というものでした。

子供の気持ちを分かってあげることができなかった自分に、今日もまた1つ反省です・・・。  

 
Vol.4 近所のデイケアと遠くのファミリーデイケア
2004年11月

先月下旬、お手伝い先のファミリー・デイケアで行われたハロウィンパーティーに出席しました。以前来ていた子供達とその家族も参加し、総勢約30名が集まるパーティーとなりました。

今年の夏、2ヶ月間だけ来ていた2歳半の男の子とその両親もやってきました。両親とは何度か顔を合わせたことはあったものの会話をすることは殆ど無く、今回初めて男の子のお父さんとゆっくり話すことができました。

男の子の両親は中国出身で、お父さんは現在バイオロジーの研究者を目指して大学院に留学中。このファミリーデイケアは、中国人コミュニティーの情報で知ったそうです。そして、オーナーの教育方針やデイケアの雰囲気をとても気に入り、片道40分掛けて通い始めたそうです。

ところが、片道40分の送迎はやはり負担が掛かるということで、近くのデイケアに変更しました。そこは、お父さんの通う大学内にあるデイケアで自宅から5分。子供の数も多くカリキュラムもしっかりしているのですが、先生達は『先生としても仕事をきちんとこなしているという印象を受けるだけで、ファミリーデイケアのような子供達一人一人に対する愛情があまり感じられない・・・』と話していました。料金も月800ドルとファミリーデイケアより若干高いそうです。現在お母さんの収入のみで家計をやり繰りしているため贅沢はできないそうですが、それでも送迎時間を考えると大学内のデイケアに通わせるしかないそうです。

この話を聞いた後、改めて自分自身を見つめ直してみました。果たして私は、子供一人一人に愛情を注ぎながら接しているのだろうか?仕事と割り切って接していないだろうか?何か忘れていた、一番大切なことを思い出すことができたように思います。

 
Vol.5 言葉に出すこと
2004年11月

カレッジ内のチャイルドセンターでの出来事。女の子がブロックで恐竜クンの家を組み立てていました。そこへ別の女の子が近寄り、ツンっとブロックを突付いてしまった途端、全てが崩れ落ちてしまったのです。女の子は大泣き状態。その場にいた私は、とっさに『上手にお家を作っていたのは見ていたよ。もう一度、一緒にお家を作ろうか?○○ちゃんは、きっと壊そうと思ってブロックを崩したわけではないだろうから許してあげようか?』と声を掛けてしまったのですが、女の子は『○○ちゃんなんて大嫌い!』と、泣き止みません。

すると側で見ていた先生がやってきて、泣いている女の子に、どうして悲しいのか尋ねました。先生は事の全てを知っていましたが、女の子自身の口から何が嫌だったのかを相手の女の子に伝えて欲しかったのです。女の子は、『○○ちゃんがブロックを壊した!』『私は今、○○ちゃんにとっても怒っているの!』と、はっきりと女の子の目の前で答えました。倒してしまった女の子に対して先生は、『△△ちゃんは、ブロックを倒されてしまって悲しんでいるのね。今度ブロックに触るときは、△△ちゃんに尋ねてからにしようね。』と、話していました。

おもちゃの奪い合いやケンカにしても、両者の気持ちを口に出して相手に伝えることが大切だということを学びました。日本でもこの教育方法は同じなのでしょうか?私はアメリカで暮らしながら未だに『自己主張』が苦手なのですが、おとなしいと言われる日本人と自己主張が激しいと言われるアメリカ人との違いは、幼児期からの教育の違いにも関係しているのかな?と思いました。今日もまた一つ、新たな発見でした。

 
Vol.6 突然、英語が…
2004年12月

毎日お世話をさせて頂いている2歳(ほぼ3歳)の男の子がいます。私と過ごす2時間以外は、ほぼ中国語の環境にいるらしく、彼の口からあまり英語を聞いたことがありませんでした。

この子と出会ってから約3ヶ月。始めの頃は、彼が中国語で一生懸命話し掛けてくれても理解してあげられない自分に、『これでいいのかな?』と自問自答していました。それでも他の子供達と同じように、ひたすら英語で対応してきました。みんなで一緒に、英語の歌、ダンス、そして絵本を読んでいても、いつも直ぐに逃げ出してしまう子供でした・・・。

ところが最近、急に英語を話しだすようになったんです。以前、『Head and Shoulders, Knees and Toes』の歌を毎朝歌って踊っていました。その頃は、ひたすら逃げ回ってばかりいたのに、最近は自ら歌いだし、私と踊ろうとするんです。また、数週間前から手を洗う時にはある歌を歌うようにしているのですが、この歌も突然思い出したかのように歌い始めるんです。なんだか、我が子の成長を見ているかのようにとても嬉しくなってしまいました。歌だけでなく、『go outside to play』ですとか『drink water』と言った毎日耳にしている言葉も口にするようになりました。

たった2時間しか会えていないのですが、毎日英語に触れることの大切さを教えられたような気がしました。

 
Vol.7 半年を振り返って
2004年12月

子供達と接する仕事に携わってからあっという間に半年が過ぎてしまいました。子育ての経験が無く、全くと言うほど子供と携わる環境にいなかった私が子供を相手に仕事をするなんて・・・正直自分でも驚いています。人生って、本当に何があるか分からないものですね。

多少授業で幼児教育についての知識を身に付けているとはいえ、実践の場では100%思い通りにいかないもの。一週間のレッスンプランを考えていても、子供達の気持ちと集中力次第でプラン変更を何度も行いました。ABCを書くようなアカデミック的なレッスンを実施して欲しいと考えるオーナーと、3歳の子供にはまだ早過ぎるのでは?と感じる私の間に、意見の食い違いが生じることもありました。そんな時は気持ちが沈んでしまい、『やっぱり自分には向いていない仕事なのかも・・・』と弱気な自分が現れてしまうこともありましたが、日本にいる元保母さんの友人に相談したり、デイケアのカウンセラーからアドバイスを受けたり・・・と、周囲の方から支えられ、小さな壁を少しずつ乗り越えることができているような気がします。

その後オーナーからは、『私の思う通りのレッスンプランを行ってみて』という話を頂き、子供達の様子を見ながらアートや音楽を中心としたレッスンを行うようになりました。子供達の成長過程は本当に十人十色で、5mmほどの小さな穴にあっという間に毛糸を通してしまう3歳児もいれば、全く触ろうとすらしない子供も・・・。でも、皆それぞれのペースを持っているんですよね。”子供達の成長を絶対に比べてはいけない”ということを学びました。半年が経ち、子供達一人一人の個性や性格が大分見えてきました。とはいえ、私もまだまだ研修生・・・。覚えることや学ぶことが山ほどあります。来年も今の気持ちを忘れることなく勉強を続け、子供達が一歩一歩成長していけるよう精一杯のお手伝いをしていきたいと思っています。

 
Vol.8 忙しい・・・という言葉
2005年1月

私は主人に向かって、『今、忙しいから・・・』と言ってしまうことがあります。でも、私の場合、『忙しい』という言葉を都合よく利用しながら言い訳をしているのかもしれません・・・。

前セメスターのあるクラスで、6人ずつのグループに分かれて幼児のアクティビティーに関するレッスンプランを考えると言う宿題がありました。グループは席順で決まり、私のグループには、レッスンプランには慣れているという女の子(Mちゃん)がいました。皆で意見を出し合い、あとは代表者がレッスンプランをタイプに打つだけ・・・となった時、Mちゃんが『私がやってくる!』と率先して立候補してくれたのです。残りの5人は、『宿題が一つ減ったね〜。』と正直ホッとし、Mちゃんに感謝しながら翌週明けの提出日を待つのみとなりました。

そして提出日当日、どうやらMちゃんの様子がおかしいのです。『週末は忙しく、レッスンプランを書き上げる時間が無かった。』とのこと・・・。締切日は本日!お互いの連絡先は交換し合っていたので、なぜ一言連絡をくれなかったの?と、残りの5人は驚きと同時に怒り気味。でも、私達もMちゃんに、『レッスンプラン進んでる?』と聞くこともできたわけで、結局は全員の責任なんですよね・・・。

状況を先生に話すと、これが驚くことに先生の案内ミスで最終提出日は何と2日後だったのです。すると、グループの一人であるBさんが、『もういいよ。私がやってくるから!』と、やや怒り気味にMちゃんに伝えていました。Bさんは、2歳の娘さんと5歳の息子さんを持つ母親で、合計6クラスを受講しながら頑張っているママさんでした。私なんて1セメスターに3クラス受講するだけで精一杯だったのに、6クラスも受講するなんて、いつ予習・復習・宿題をこなしているのか疑問でした。

結局は、責任を感じてしまったMちゃんが、『やっぱり私がやりたい』と言うのでお願いし、無事2日後にレッスンプランを提出することができました。

ところでこのBさん。本当に素晴らしい方なんです。本人は成績優秀で、二人の子供達も2歳と5歳とは思えないほどしっかりしているんです。主婦、育児、家事、勉強・・・どうやってその忙しさを乗り越えているのかと尋ねると、『忙しいとは思っていないの。時間を上手く使えているだけなのよ。』と、笑顔で答えてくれました。なるほど・・・。彼女から見たら、私の『忙しい』なんて、”い”の字にもならないんだろうな・・・と感じてしまったのです。

私の今年の目標の1つは、『時間を上手く使う』こと。Bさんのような達人になれる日はまだまだ先のことかもしれませんが、少しでも近づけるよう努力してみようと思います。

 
Vol.9 私の英語
2005年1月

主人の両親は、主人が誕生する直前に渡米してきた日系一世。そして、5人の叔母達もこちらで暮らしているので、ここカリフォルニアで暮らす親戚はとても多いのです。

主人のいとこの子供で8歳になるニックという男の子がいます。ニックはいとこ同士の子供達の間では一番年上で、リーダー的存在。両親が共働きなので、おばあちゃん(主人の叔母)が幼い頃からベビーシッターをしています。最後に私がニックと会ったのは、昨年のサンクス・ギビング。他の親戚が皆帰ってしまい、遊び相手がいなくなったニックは、私と主人のいとこ(日本から留学中)に学校で流行っているというゲームを教えようと動き始めました。おばあちゃんが話し掛ける日本語はある程度理解できているようですが、自ら話すことは殆どできないようです。私達との会話もほぼ100%英語。一生懸命ゲームを教えようとしているのですが、私にはルールが理解できず、なかなかゲームが始まりません。ルール説明の前までは順調に会話ができていた私達・・・。私が、もっと分かりやすく説明して?と言っても、ニックなりに最大限の力を使って分かりやすく説明しているので、これ以上はできないというのです。私も、一生懸命英語で話しかけながら理解しようとすると、突然ニックが、『もう降参・・・』といった表情になりました。きっと私の英語が通じてないのね〜と、『Sorry about my poor English.』と言うと、『Don't worry. I'm used to this kind of situation. My grandma doesn't speak good English...』とニック。何だか、この言葉を聞いてつい微笑んでしまいました。日系人の親戚に囲まれるうちに特徴のある英語を理解する方法を彼なりに身に付け、そして、私の英語も理解しようとひっそり頑張っていてくれたれのかな〜と。

結局、『ルールが分からなくてもやれば分かる!』と強行手段に出たニックの予想は的中し、翌日筋肉痛になるまで3人で遊びました。いつの日かニックに英語を褒めて貰うこと・・・これが私の目標の一つです。








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